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アケビコノハ(ヤガ科)
ガの仲間で、夜になると、くだものの汁を吸いに飛びまわります。汁を吸われたくだものは、傷物(きずもの)となって販売できなくなってしまうので、くだものを栽培している農家の方からは、害虫としておそれられています。その正体を観察してみましょう。
成体は、越冬して春になると飛びまわり、産卵します。冬の間は、見つかりにくいように枯れ葉模様(かれはもよう)の羽をもっています。(枯れ葉に化けているということで、擬態(ぎたい)といわれます。)
また、内側の羽には、目玉模様があり、鳥などをおどろかすのに役立っていると考えられています。
卵は、アケビやムベなどごく限られた植物に産みつけられます。(チョウやガの幼虫は、ごく限られた植物しか食べないものが多い。それらの植物を食草(しょくそう)とよびます。)
ムベは、アケビと同じように実は食べられます。しかし、アケビのように実はわれずに閉じたままです。
幼虫は、アケビやムベの葉を食べて成長します。
幼虫には、大きな目玉模様(めだまもよう)があり、驚くとからだをまるめて、目玉模様がよく見えます。天敵(てんてき)などを驚かしてからだを守るために目玉模様がついていると考えられています。
幼虫は、うまくかくれています。地面に落ちているフンを見つけてから、その上をさがすと見つけやすいです。(チョウの幼虫も、フンを見つけたり、葉の食べた跡(あと)、をさがすと見つけやすいです。
幼虫が葉を食べた跡(あと)を食痕(しょっこん)といいます。チョウやガの幼虫は、この近くをよくさがすと見つけやすいです。
木の葉を集めて、しっかりとくっつけて、その中でサナギになります。サナギも必ず枯れ葉をくっつけて、枯れ葉の中にかくれています。
枯れ葉の中に焦げ茶色のサナギがかくれています。
サナギから孵(かえ)って、枯れ葉そっくりの羽を持つガになります。
一年に二回、卵から幼虫・・・サナギ・・・成虫となります。
成虫で枯れ葉そっくりの姿で、越冬します。
文・写真:
ミュージアムパーク茨城県自然博物館
早瀬長利
最終更新日:2009年3月14日
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