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モズの高鳴き

「キィー キィー キチキチキチ」木の葉が色づき秋が深まるとモズの甲高い鳴き声が聞こえてきます。鋭く挑戦的な鳴き声です。モズは、秋から冬にかけては1羽だけでなわばりを持ちます。そのため秋の初めには老若男女を問わずモズは激しい戦いをしてなわばりを勝ち取ります。一度確保したなわばりに侵入してくるものがあれば、また戦います。こうして11月には秋のなわばり争いは終わり、モズは1羽きりで冬を迎えます。
「モズの高啼き七十五日」といい、モズの高鳴きを初めて聞いてから75日目に霜が降りだすとして、農作業の目安にしている地域もあります。

モズ(モズ科)

 
モズ(オス)

モズ(オス)
撮影:落合聡
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モズ(メス)

モズ(メス) 画像拡大
  モズは、スズメより少し大きい鳥で、見通しのよい高いところでよくみかけます。全体的に体色が茶色のため、スズメやホオジロと似ている印象をもつ人もいます。モズは他の鳥の声をまねるのがうまく、そのためモズを漢字で「百舌鳥」とあらわします。
  モズの動画
 
▼モズの高鳴き映像
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画面サイズ:360×240 再生時間:15秒 ファイルサイズ:904KB
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▼モズの小鳥の鳴きまね映像
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画面サイズ:360×240 再生時間:16秒 ファイルサイズ:1.6MB
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画面サイズ:360×240 再生時間:16秒 ファイルサイズ:1.5MB
 

モズの初鳴き季節前線

 
秋にモズが最初に鳴いた日を初鳴日として調べてみると、関東より西の太平洋側で早く、日本海側はやや遅い傾向があります。9月下旬を過ぎると、ほぼ全国でモズの高鳴きがきこえるようになります。
[出典] 俳句の鳥・虫図鑑
監修:復本一郎
 

モズの「はやにえ」

  モズをよく見かける木の枝を観察すると、トカゲや昆虫、カエルなどが刺されて干からびたものが見つかります。これは、モズのなかまが獲物を突き刺しておいておく「はやにえ」という習性です。食料を備蓄するために行うなどの説もありますが、モズが何のために「はやにえ」を行うのかは、よくわかっていません。
 
アマガエルのはやにえ

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ニホンカナヘビのはやにえ

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エンマコオロギのはやにえ

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ケラのはやにえ

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文:ミュージアムパーク茨城県自然博物館 伊藤誠
最終更新日:2009年3月27日

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